ADcanで配合設計 特密粒度アスコン13mm(細粒仕様)について(施工者に喜ばれる混合物)

1.前提条件
舗装設計施工指針によると、各配合種の中で一般的に使用されているアスコンは密粒度アスコン(13)が多いようです。場所により細粒配合が適しているところでは細粒度アスコン(13)が用いられます。ところが、発注者側では場所を考えず単に密粒度アスコン(13)で設計してしまう場合が多いようです。その理由は細粒度アスコン(13)は価格が高いからだと思います。積算資料でも高くなっています。

施工者側では施工場所から考えて細粒配合が欲しいと製造工場に要望することになりますが、製造工場側では密粒度アスコン(13)の規格通りの配合を出荷せざるを得ない訳です。仮に細粒配合に修正したもので出荷した場合、後になって検査で不合格となれば工場の責任となるからです。現場のためを思う気持ちと矛盾した話になるのです。

ここで、提案する細粒配合の「特密粒度アスコン(13)」ですが、その使用にあたっては発注者側と施工者側との間で何らかの合意形成が前提条件にあることを最初に申し上げなければなりません。

追記:提案する「特密粒度アスコン(13)」の出荷について所見を記しておきます。
俗に云う「小口の引き取り合材」と称するものは、上下水道・ガス工事などの復旧工事に使用するものなので問題ないと思います。民間工事も同様です。
問題なのは、学校、公園、霊園、文化センターなど、歩行者や小型車のための道路で細粒配合が適している場合、また、上記述べた復旧の本復旧工事を含みます。これらが一つの工事として発注されるような場合には必ず竣工検査があります。このような場合には事前に発注者側と施工者側との間で何らかの合意形成をしておく必要があると思います。

付け加えると、フィニッシャー施工なら問題ない配合でも、手均し施工になると砕石類が表面に浮き出て粗面となり、密な仕上がり面となりません。技量の低下もあるかと思いますがやはり細粒配合が好まれる訳です。

2.提案する特密粒度アスコン(13)
1)特密粒度アスコン(13)の粒度範囲
提案する「特密粒度アスコン(13)」の粒度の考え方は、密粒度(13)と細粒度(13)配合の中間的粒度を目標にしています。その方法は合成粒度の細粒側(2.36mm以下)は密粒度(13)の粒度範囲とし、粗粒側(2.36mm以上)は細粒度(13)の粒度範囲とします。
(目標粒度範囲と粒度曲線範囲を参照下さい。)

2)アスファルト量
アスコンのアスファルト量(As量)は細粒側粒度によってAs量の多い少ないが決まります。この場合は細粒側粒度(2.36mm以下)を密粒度(13)の粒度範囲とし、特性規格値も密粒度(13)としているので、As量は密粒度(13)の混合範囲で良いと考えます。「AD canシステム」では5.5%として自動で仮設定するようにしています。

3)アスファルト量と石粉量
この配合は見方を変えて視ると大変難しい面があります。と言うのは、細粒配合にすると云うことは単に細粒材を増やせば良いと簡単にいうことになります。そうするとAs量はどうすれば良いのかの関係が生じてきます。いずれにしても細粒材は増やす訳ですから―――、ここでどうすれば良いのか迷うことになります。このように考えてくると最後に行き着くところはAs量と石粉量の量的問題になります。
このように、細粒配合の難しい面はAs量と石粉量の関係に行き着く訳です。とは云うものの、アスファルトは高価なので多く使いたくない、ある一定量にしたいとなると、残るのは石粉量と云うことになります。

この石粉量ですが、これが合成骨材の骨材間隙率(VMA)に密接に関係しているのです。石粉量が重要な役割を演じることになるのです。
石粉量が多くなるとVMAは小さくなり、一定量のAs量でもベタベタの配合になります。逆に、少なくなるとVMAは大きくなり、パサパサのオコシのような配合(考え方:顕微鏡で拡大して視る)になり、まとまらない混合物になります。
例えば、コンクリート用の粗目の砂を50%も使っているとVMAが非常に大きくなって、まとまらない混合物となります。これは、ある適度な量の石粉量で解決できますが、その量は簡単には解りません。このように、細粒材(Scr、粗砂、細砂など)の使い方によって、石粉量が1%~5%もの範囲で変動するので、この量は経験による「勘どころ」で解決できるものではありません。
「再生特密粒度アスコン(13)」はさらに難しくなることを付け加えておきます。

3.おわりに
アスコンの骨材間隙率(VMA)は石粉量(0.075mm通過率)によって大きく変動する訳ですが、これを直ちに計算してくれるのが「AD canシステム」なのです。それは「骨材間隙率計算方程式」が組み込まれているからです。
「AD canシステム」はこれら計算を初め、配合決定までをボタン一つのクリックで自動計算してくれます。詳細な「評価コメント」に誘導されて正しい細粒配合の設計ができるようになっています。本ホームページで案内している「デモ版」でも「特密粒度アスコン(13)」の配合設計が組み込まれているので、是非お試し頂きたく思います。

2017-06-20 | カテゴリー : 配合設計 | 投稿者 : terasawa